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遺言
遺言とは、人の生前における最終的な意思表示を尊重し、遺言者の死後にその意思を実現させる為に制度化されたものです。つまり、遺言によって遺言者が生前に自分の財産を自由に処分できることを法律で認めています。
一方で、民法では、遺言に厳格な要件を定めて(一定の方式による書面にする等)、要件に満たない遺言は無効としています。
- 遺言によって、遺産をめぐるトラブルを未然に防止することができます
- 相続は、法定相続よりも遺言による相続のほうが優先されます
遺言でできる事項
遺言書に様々なことを記載しても、記載した事項すべてに強制力が生じるわけではありません。遺言の中で法律的な強制力が生じるのは法律に規定がある事項(法定遺言事項)のみです。ただし、法定遺言事項以外のことを書いたからといって、遺言自体が無効になるわけでありません。その部分のみが無効となります。具体的には、次のとおりです。
1.身分上の事項
- 子の認知
- 未成年者の後見人の指定、後見監督人の指定
2.相続に関する事項
- 推定相続人の廃除、排除の取消
- 相続分の指定、及び指定の委託
- 特別受益の持ち戻しの免除
- 遺産分割の方法の指定、及び指定の委託
- 遺産分割の禁止
- 遺産分割された財産について相続人同士で担保責任を負わせること
- 遺贈の減殺の順序、及び割合の指定
3.遺産処分に関する事項
- 遺贈
- 財団法人設立のための寄附行為
- 信託の指定
4.遺言執行に関する事項
- 遺言執行者の指定、及び指定の委託
- 遺言執行者の職務内容の指定
5.その他
- 祭祀承継者の指定
- 遺言の取消
遺言の種類
遺言の方式には普通方式と特別方式の2種類があります。特別方式は、死期が迫っている場合などの特殊な状況下にのみ用いられる例外的な方式です。そのため、一般的に遺言を作成する場合は普通方式が用いられます。
普通方式は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。
1.自筆証書遺言
| 作成方法 | 遺言者が、遺言の全文・日付・氏名を自署し押印して作成します |
|---|---|
| 長所 | 1人で簡単に作成できる 内容・遺言書の作成そのものを秘密にできる |
| 短所 | 正式な遺言としての要件等の不備により無効になる可能性がある 紛失・破棄・偽造等のおそれがある 裁判所の検認が必要 保管は自分でしなければならない |
2.公正証書遺言
| 作成方法 | 公証人役場で、証人2人の立会いのもと、遺言者が公証人に遺言内容を伝え、それを公証人が筆記し公正証書として作成する。(内容及び存在を証明してもらう遺言) |
|---|---|
| 長所 | 公証人が保管してくれるため、紛失・破棄・偽造等のおそれがない 遺言内容を争われたり、無効とされることがない 裁判所による検認手続は不要 |
| 短所 | 公証人の費用がかかる 遺言の存在と内容を秘密にできない |
3.秘密証書遺言
| 作成方法 | 遺言者が遺言書を作成し、署名・押印する。封印する公証人と2人以上の証人の前に、作成した遺言書を提出し、公証人が日付などを記載した後、各自署名押印する(「内容」を秘密にしたまま、「存在」のみを証明してもらう) |
|---|---|
| 長所 | 遺言書が間違いなく遺言者本人のものであることを明確にできる 誰にも内容を知られずに作成できる 公正証書に比べ手数料が安価 |
| 短所 | 自筆証書と同様、作成は自分で行う為、要件等の不備により無効になる可能性がある 裁判所の検認が必要 保管は自分でしなければならない |


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